オブジェクトストレージとは
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オブジェクトストレージとは

澤田 穣
クラウドプラットフォーム技術部 クラウド基盤運用グループ マネージャー

近年、IoTやAIの活用、DXの推進によって、企業で取り扱われるデータ量は爆発的に拡大してきました。5G時代の到来が間近に迫り、この流れは更に加速しています。

また、質の面でも変化が起きており、従来は、ERPやCRMなど業務ソフトウェアのデータベースで使用される「構造データ」が主流でしたが、最近は文書・画像・動画といった「非構造データ」へとシフトしている側面もあります。

そこで昨今、注目が高まっているのが、こうした大量かつ非構造的なデータの処理を目的とした「オブジェクトストレージ」です。オブジェクトストレージは、急激なデータの増加に耐え得る拡張性を持ちながら、データを活用するための高い検索性も兼ね備えており、低コストで、非構造データのバックアップやアーカイブ利用に適しています。

この記事では、オブジェクトストレージの概要から、「楽天クラウド オブジェクトストレージ」の特長まで、詳しく紹介します。

オブジェクトストレージの特長とファイルストレージとの違い

1. ファイルシステムやディレクトリ構造を持たないストレージ

オブジェクトストレージは、データをファイル単位ではなく「オブジェクト」という単位で扱います。「バケット(コンテナ)」と呼ばれる論理的な階層が1つあるだけで、その配下に子のバケットを作ることはできません。そのため、ディレクトリ構造を持つファイルストレージのように、データサイズやデータ数の保存制限がなく、大量のデータ管理を柔軟に行える特長があります。

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オブジェクトストレージ

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ファイルストレージ

引用元:クラウディアン株式会社「急増する非構造化データに直面する企業ITにおける スケールアウト型オブジェクトストレージの使いどころ」

2. データを「オブジェクト」として管理する

ファイルストレージは、階層化したフォルダの中に、ファイルといくつかのメタデータ(ファイル名、更新日時等)を共に格納します。ファイルストレージは、使い始めは感覚的でわかりやすいのですが、データの量や用途が増えるにつれ、データを見つけるのが難しくなったり、ストレージの処理能力に問題が出たりします。一方、オブジェクトストレージの構成要素には、「ID」「ファイルデータ」に加え、「サイズ・作成日・更新日・保存期限・暗号化の有無・コピー回数・ユーザー定義のメタデータ(検索タグなど)」といった多くのメタデータがあります。そのため、オブジェクトストレージは非常に検索性が高く、簡単にデータを探し出すことが可能です。また、各オブジェクトは互いに依存関係がないフラットな状態で保管していることから、データの量が増えても移動・複製・取り出しを容易に行うことができます。

3. HTTP(Rest API)でアクセスする

オブジェクトストレージでは、オブジェクトの構成要素である「ID」がそのままURLとして使用されます。HTTP(Rest API)を使ってデータの読み書きを行うため、OSに依存することなく使用可能です。Rest APIをアプリケーションに組み込んで使用したり、Amazon S3互換性を持つツールから使用することが一般的です。

このように、一見メリットばかりに思えるオブジェクトストレージですが、高速処理やリアルタイム処理が必要なデータ(データベース等)の保管には適していないので、あらかじめ注意が必要です。

楽天クラウドのオブジェクトストレージ

楽天クラウドでは、Amazon S3 API対応アプリケーションやサービスをあらゆる環境で使える、「クラウディアン HyperStore®」を使用したオブジェクトストレージの提供を開始しました。

※「クラウディアン HyperStore®」について
「クラウディアン HyperStore®」は、2001年に日本で創業し、現在はシリコンバレーに本社を構えるベンチャー企業のクラウディアン株式会社が提供するオブジェクトストレージ製品です。

<「楽天クラウド オブジェクトストレージ」:サービスの特長>

1. Amazon S3 APIに完全互換

Amazon S3 APIに完全互換のため、「s3cmd」「AWS CLI」などのツールも、そのまま使用可能です。すでにAmazon S3をご利用の方であれば、Amazon S3と同じ使い勝手で、楽天クラウドのオブジェクトストレージにてデータ操作をすることができます。

また、下図のAmazon S3との連携が可能な製品群にも対応します。ファイル保管・共有・検索、IoT、ビッグデータ・AI・機械学習、マルチメディア、データ保管など、様々な利用目的に応じて、活用することができます。

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引用元:クラウディアン株式会社 製品概要、2019年9月

2. 楽天グループだから実現できた、安価な料金体系

楽天グループと共通の機器を使用することにより、低価格を実現。課金対象は使用量のみ、転送量・APIコール数による課金はありませんので、想定外の価格の変動を気にすることなく、安心して利用することができます。

<こんなお客様に最適>

・バックアップ・アーカイブデータを保管したい
・IoT機器で収集したセンサーデータを保管したい
・Amazon S3対応の小型NASに保存したデータのバックアップを取っておきたい
・スケーラブルなビッグデータ分析の基盤として活用したい
                      

「楽天クラウド オブジェクトストレージ」は、「楽天クラウド Red Hat® Open Stack Platform」はもちろんのこと、オンプレミスや他社クラウド環境でも利用できます。オブジェクトストレージをこれから導入される方も、すでにご利用中の方も、「楽天クラウド オブジェクトストレージ」をぜひご検討ください。

楽天クラウド:https://cloud.rakuten.co.jp/

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澤田 穣
サーバエンジニアとしてメールサービスの立ち上げに携わった後、2010年頃から弊社クラウドサービスの立ち上げプロジェクトに参画、以来クラウドインフラ担当として構築・運用に従事。現在は楽天クラウド Red Hat OpenStack Platformの機能強化を牽引している。
趣味は家族とのお出かけ。週末はドライブがてら、色々なところへのぶらり旅を楽しんでいる。
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